メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

ツタヤ図書館、利用できない書棚に1000万円

オープンした山口県周南市立図書館、「本に囲まれた空間」の装飾に支出

川本裕司 朝日新聞社会部記者

本の背表紙をかたどった山口県周南市徳山駅前図書館のアート書架=2018年1月30日、周南市・CCC提供拡大本の背表紙をかたどった山口県周南市徳山駅前図書館のアート書架=2018年1月30日、周南市・CCC提供
 山口県周南市で、レンタル大手のTSUTAYA(ツタヤ)を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が管理を代行する公立図書館が2月3日、開館した。館内の吹き抜けに設けられる、利用者が使えない「アート書架」の内装に約1000万円を費やされている。「本に囲まれた空間」のための装飾の出費には賛否がわかれ、図書館の運営のあり方についての議論も広がっている。

  周南市に新設する市立徳山駅前図書館は、山陽新幹線と在来線のJR徳山駅に直結する駅ビルを改装した。CCCによる「ツタヤ図書館」は全国5つ目で、スターバックスコーヒーや蔦屋書店も併設される。駅周辺の商店街の活性化などをめざし、年間120万人の集客を目標としている。

  図書館の1~2階の吹き抜け(高さ8.8メートル、幅17.8メートル)の高架書架の上部5メートルについては、利用者の手が届かず閲覧用の図書は置けない。他の図書館との違いを打ち出すため、当初は約1200万円をかけ装飾用の洋書を並べる予定だった。

  しかし、昨年9月の市議会で「税金の無駄遣いでは」との質問に、木村健一郎市長は「コスト意識を持ちながら準備する」と答弁し、11月に約200万円削減してアート書架に変更。ガラス樹脂で制作した本の型の背表紙部分を周南市の福祉施設に所属するアーティストがデザインし、東京のディスプレー会社が共同で手がけることになった。

  周南市中心市街地整備課は「高架書架の設計はCCCが提案し採用した。洋書からアート書架に変更し、より付加価値が高く周南らしさを打ち出すことができる」と説明する。総事業費は約55億円、机などを含めた内装全体では8900万円をかけた。CCCには指定管理費として年間約1億5000万円が支払われる。 ・・・ログインして読む
(残り:約1388文字/本文:約2151文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。
Journalismの記事も読めるのは全ジャンルパックだけ!


筆者

川本裕司

川本裕司(かわもと・ひろし) 朝日新聞社会部記者

朝日新聞社会部員。1959年生まれ。81年入社。学芸部、社会部などを経て、2006年から放送、通信、新聞などメディアを担当する編集委員。10年、論説委員兼務。17年4月から東京社会部。著書に『ニューメディア「誤算」の構造』。共著に『テレビジャーナリズムの現在』『被告席のメディア』『新聞をひらく』。

 

川本裕司の新着記事

もっと見る

NEWVC HONBAN !!